かつて世界一の金持ちは、ロックフェラーやポール・ゲテイ(石油王)といわれていた。だが一九八八年の今日では、西武鉄道グループの社長である堤義明である。彼の持つ資産は三兆円とも、十兆円ともいわれる。正確に把握できないほど多いのである。二位は森ビル社長の森泰吉郎、三位は秀和の社長小林茂である。日本人が世界の金持ちの一位から三位までを独占するなど、これまでとうてい考えられないことであった。この三人はいずれも「土地持ち」である。この調査はアメリカの調査会社の発表であることから、信頼性は高いと思われる。日本全土の土地の値段は一九八五年には一〇〇〇兆円くらいであったものが一九八八年には一八〇〇兆円になったと見られる。アメリカ全土の地価が約四〇〇兆円と見られることから日本の地価は四倍以上である。日本の面積はアメリカの約二五分の一であるから、地価が四倍となると、一坪当りアメリカの一〇〇倍ということになる。しかも、これらの金持ちは、一坪一億円以上もする土地を東京都心にたくさん所有していることから、アメリカの土地持ちと比較すると五〇〇倍、一〇〇〇倍以上の価値の土地を持っていることになり、必然的に金持ちになってしまう。今年の日本の所得番付でも一〇〇人中七七人が「土地持ち」であった。これからは、当分の間日本の「土地持ち」が世界の金持ちの上位を占めることは間違いない。つまり、世界のトップクラスの金持ちは、すべて「土地持ち」ということになる。土地を持つこと、即金持ちになることなのである。
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