日本では、政治の国民生活軽視、政治家の無思想・無教養、労働運動の経済中心主義、学者の権力追随、国民の住意識と権利意識の低さ等々によって、住居が政治の中心課題や選挙の争点になることはほとんどなかった。今日なおそれは変わらず、これだけ住宅土地問題が深刻になっているのに、野党が一大国民運動の先頭に立って住宅土地政策の改革に取り組むということもない。いったい何がそうさせているのだろうか。一九八八年の春闘に際して、ある労働団体は地価高騰に対する補填として「住宅手当ての三〇〇〇円増額」を要求したという。
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まったく日本の労働組合団体は何を考えて日々の活動に取り組んでいるのだろうか。いま住宅手当てが三〇〇〇円ふえて、人間にふさわしい住居を確保できると思っているのだろうか。「人間らしい生活のできる住居」を保障させる権利運動をどうして起こさないのか。都市、農山漁村を問わず、住まいはそこに住む人間が力を合わせなければよくならない。それによって生活が支えられ、豊かさ、が実現されていくのである。