今から20年以上前に、公庫融資は段階金利方式を取り入れました。それ以前は、全期間について1種類の固定金利が適用されるしくみでしたが、借入当初10年間と11年目以降で利率の異なる二通りの固定金利を適用するしくみに改めたのです。このしくみの導入は、それまで単純で分かりやすかった公庫融資の制度内容を複雑化する動きの手始めでした。しばらくの間、段階金利方式は公庫融資だけのものでしたが、その後、年金住宅融資や財形住宅融資など他の公的住宅ローンでも採用され、最近では、民間住宅ローンにもこのタイプのものが登場しています。
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民間金融機関が何十年もの間、公庫融資の代理窓口を務めながら蓄積してきた住宅ローンのノウハウが、こんな形で実ったのかもしれません。こうした適用期間の分割化によって幾通りもの固定金利が適用されるようになると、実質的には変動金利と固定金利の違いが以前より少なくなります。事実、民間住宅ローンの固定金利選択型は変動金利に近い性質です。このため、お客様に固定金利と変動金利の違いやメリットを理解してもらうにはどうするのか、説明には工夫が必要となるでしょう。民間住宅ローンの金利にも金融機関相互の競争状況が反映されてはいますが、金融機関によって金利に違いがあったとしても、実際には微差にとどまる場合も少なくありません。そうした状況の中で住宅ローンの拡販を図ろうとすれば、制度そのものの特性の違いについて強調するしかありません。その点が、住宅ローンごとに設定されている金利適用条件の細分化に現れています。お客様へのアドバイスにあたっては、個別にこの金利適用条件が成り立つかどうかを確認することが極めて重要となります。